chikyu Bijo Nendaiki

女性美を医学的・性愛学的・九星占術の視点で追究します。

★貞淑聖女(新作:短編)無料

※お店のお客さんが告白したことを参考に書いてみました。



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「貞淑聖女」





 赤坂マミーさんの笑顔は、Mさんには生き甲斐となってしまった。マミーさんは母はロシア人、父を日本人にもつシャラポワ似の美女で、周りからは羨望のハーフである。彼女は銀座にある派遣会社の社員で勤めている広告会社では、五年という歳月が流れていた。一年前、Mさんは得意先とのトラブルがもとで、制作部門を追われた。間髪を入れずに、イベント関係の部署に回される。Mさんにとって、マミーさんは最初の頃は折り目ただしい清楚な淑女という感じだった。当初は別段心魅かれる様な感じではなかった。一見気丈な大和撫子である。ところが、ある日事務所の親睦会があった。そこでMさんはマミーさんの奥底を見た様な気がしていた。二次会で酩酊してカラオケ店で寝込んでしまったのだ。それまではそういうことはなかった。結局彼はタクシーで自宅近くまで送っていった。タクシーを降りるときには、正気に戻っていたのでそのまま別れる。他の男なら、目のやり場のないマミーさんの胸の谷間で狂いそうになるのが普通だろう。しつこく自宅まで送り、関係を迫るのは目に見えていた。だから、彼は心配になり、シークレットサービスの役を買って出たのである。
 日頃は、眼をまっすぐにして、脇目も振らず、妥協を許さない。読書と孤独を愛する三十路の乙女。それでもMさんには可愛く思えた。十五歳下の妹という感覚。彼女に下心のある男は辟易する。だが彼女には隙が現れ始めていた。勘の鋭いマミーさんにしては意外であった。さぞかし心境の変化でもあったのだろう。三十代も中ほどを過ぎて、独身を謳歌している。だから普通に考えれば、日々の悩みなどあるはずもない。あっても表に出さないから尚更分からなくなる。彼女に群がる男たちはみな単純にそう思っている。Mさんにとってマミーさんは理想の女と想うようになった。だが、マミーさんにはおそらく、Mさんは家庭を持っている、風変わりな男としか映っていないだろう。
 傍目では、堅過ぎて融通の利かない女。結婚でもしたら、財布は完璧に握られる。しっかりものの主婦になる。そういう評判であった。それまではいいが、独身の男にとっては、全く隙のない女に見える。そういう女とは不倫など到底出来はしない。結婚相手にしても、マミーさんは自分の世界を、他人には見せようとはしない。おまけに性格がきついと思われている。でも、とてもMさんにはそうは思えなかった。男の友達は多いが、それ以上の縁はこれまでなかったように思えた。女にとって結婚するのには、たいてい同世代か、いくつか歳が多いのが相場だが、マミーさんの理想の相手はMさんには想像できるらしい。
 マミーさんはまだ処女である。眼を見ればMさんにはわかる。そういう貞淑な女性に男達は憧れる。と同時に貞淑な女性と関係してみたい、姦淫してみたい。そう思っているに違いない。女には射精をする気持ちはしらない。精液の動機はそういう本能からくるものだろうとMさんの話からは想像は出来る。どろどろした男と女の関係から遠ざけてあげたい。Mさんは近ごろ、彼女を守りたくなっていた。時折、交接での極限状況を夢想する。平時での胸のふくらみが生理時には倍になることも分かった。巨乳好きのMさんには我慢できない一瞬である。Mさんは満員電車の電車の中ではその想像で夢精を覚え、隣のOLからはその匂いが伝わるやいなや、互いにおかしな状況にもなる。
 マミーさんとは一歩間違えれば不倫という状況も、覚悟しなければならない。心の隅では確かにマミーさんに魅かれているからである。Mさんは破滅に繋がる、低レベルな色恋沙汰とは無縁でありたい。だが、深夜になると、マミーさんと抱擁する夢想が襲ってくる。交接シーンの夢想で射精もする。それが日常茶飯事にあっていた。しかし、現実ではプラトニックでしか接することはできない。行きがかりの慕情を貫き通すのには、禁欲と妄想の戦いに勝たなければならないイバラの道につながるとは思うが、そういう覚悟は必須となるだろう。
 ある日、この心情を匿名でブログに掲載し、事務所の同僚が不審に思い、調べを進めたのだろう。彼とは仕事上のイス取りゲームでのライバルだったから、格好の餌食となった。おまけに、彼とマミーさんとは仲がいい。このことは、さっそく、マミーさんの耳に入ったらしい。匿名ながら、余りにも状況が似通っていたから、女の第六感がMさんへの疑念につながった。彼女は派遣社員ながら、部長にはプライベートでは一目置かれていた。マミーさんと部長とは仲が良かった。そこまで噂の話が行き、Mさんはそれをあえて否定はしなかった。しかしそれは悪夢の始まりだった。その後は、Mさんとマミーさんとは仕事上では噛み合わなくなっていた。Mさんの立場は危うくなり、総務との折衝で別の部署に栄転(?)となった。マミーさんはいま、どうしているだろうか。処女を守り通しているだろうかMさんは気が気でならない日々を送っている。。。


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